外陰部・腟カンジダ症の市販薬による治療法【フェミニーナ軟膏では治らない？】

多かれ少なかれ、外陰部のかゆみは経験されたことがあると思います。かゆみの原因には様々なものがありますが、比較的頻度が高く、市販の軟膏で治りにくいのはカンジダ膣炎であることが多いです。

この記事では、主に腟カンジダ症を中心に、外陰部のかゆみの原因、自己診断方法と、薬の購入方法について専門医が解説します。

カンジダ膣炎の効果的な治療法について、産婦人科専門医が解説します

外陰部のかゆみの原因って？

外陰部のかゆみの原因

• かぶれ（生理用ナプキンなどとの接触や蒸れ）
• 感染（カンジダ、トリコモナスなど）

外陰部のかゆみの原因は大きく物理的な刺激によるものと、感染によるものに分けられます。

物理的な刺激で多いのは、月経期間の生理用ナプキンによる「かぶれ」です。月経血の付着もかゆみの原因になります。物理的な刺激の場合には、オリモノは増えず、外陰部のかゆみのみがみられます。

感染については、大部分はカンジダです。非常にかゆみが強い場合には、トリコモナスの可能性があります。また、細菌性の腟炎によりかゆみが生じる場合もあります。

感染によるものについては、いずれもオリモノに特徴があります。カンジダの場合は白～薄緑、トリコモナスは黄白色で泡状、細菌性は濃い黄色といった具合です。

カンジダ腟炎ってどんな病気？

カンジダ膣炎の原因

カンジダ腟炎は、腟内でカンジダ菌が過剰に増殖して、かゆみなどの症状が起こると発症します。

カンジダ腟炎の原因菌であるCandida Albicansは消化管や皮膚などの常在菌です。お尻からの感染が多いとされています。膣内のカンジダ保有率は15%程度あると言われていますが、実際には痒みなどの症状が出ないことが多いとされています。

カンジダ腟炎は決して珍しい病気ではなく、特に妊娠中はかなりの方がカンジダ腟炎を経験します。

なお、誤解している方も多いですが、常在菌であることから、カンジダ腟炎は性病とは言えません（ただし、セックスを契機として症状が出る可能性はあります）。

カンジダ膣炎の誘因

通常、腟内には腟内細菌叢と呼ばれる常在菌のバランスが保たれていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れたときに、カンジダが過剰に増殖して症状が出ると言われています。

カンジダ膣炎の誘因

• 抗生物質の内服（常在菌の一部が抗生物質により死滅してバランスが崩れるため）
• 妊娠や糖尿病（腟内の糖分が増加したり、免疫のバランスがくずれます）
• 感冒や過労、睡眠不足、体調不良など
• 不適切な洗浄や通気性の悪い下着の着用など

カンジダ膣炎の検査方法

カンジダ膣炎の検査は、直接オリモノを採取して、クリニックで顕微鏡検査をしたり、培養検査をしたりします。

「米のカス」と例えられるような白いカス状のオリモノが出てきますので、肉眼で自分で診断することも十分に可能です。

カンジダ膣炎の治療について

実際に患者さんを診察している感触から、カンジダ腟炎は、かかりやすい方とかかりにくい方がいるようです。かかりやすい方は、あらかじめ薬を用意しておいて、症状が出たら早めに治療することをおすすめします。

カンジダ膣炎の治療は、外陰部だけでなく、腟内も治療するのが基本です。具体的には、外陰部へのクリーム塗布のみでなく、膣錠も使用して治療します。

外陰部へのクリーム塗布は2～3回/日程度、膣錠は1日1回腟内に自分で挿入します。以下の点に注意してください。

クリーム塗布の際の注意点

• 薬が腟内に入らないようにしてください
• 量は少なめで大丈夫です

膣錠使用の際の注意点

• お風呂上がりなどの比較的外陰が清潔であるときに使用してください
• 奥に入れすぎなくても大丈夫です

薬の入手方法

現在は、カンジダ等の真菌に効果のある薬（抗真菌薬）がクリーム、膣錠ともに市販されています。

おすすめはシュトガードです。値段も安く、抗真菌薬もしっかり入っています。以下のリンクより楽天で購入可能です。メール便であれば送料無料ですが、早めに使用したい場合は宅配便でもいいでしょう。

カンジダ治療薬の副作用について

内服薬と異なり、クリーム、膣錠ともに外用剤ですので、副作用はおもに皮膚のアレルギー反応となります。頻度は高くありませんが、ときに薬のアレルギーと思われる症状がでる方がいますので、疑われる場合は薬の使用をやめて、クリニックを受診してください。

カンジダ膣炎治療方法まとめ

本記事が、外陰のかゆみに悩む方々のお役に立てば嬉しいです^^。

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